行動学会 MailNews (75) 11 December 2009 行動学会 MailNews は日本動物行動学会の会員向けに不定期に発行されるメールマガ ジンです。 *************************************************************           CONTENTS ・よびかけ:事業仕分けに対する意見 ************************************************************* 動物行動学会会員各位 会長の上田です。 すでに、新聞報道、各学会からの連絡でご存じのように、文部科学省は先月の事業仕 分けに対する意見を求めています。 http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm その締切が12月15日に迫ってきました。 本学会としては、すでにいくつかの学会と協力して、会長名で意見書を提出していま すが、会員の皆様からも個別に意見の表明をしていただければと思います。 この段階では、科学者から「○万件の意見があった」という事実が、文科省に とっても、マスコミにしても、重要だと思います。 以下、教員用、若手研究者用に文案を準備しました。 これをたたき台として、各会員から文科省宛に意見をメールして欲しいと思います。 「若手研究者」に対する支援の縮減は、とくに重要な問題だと思います。 12月9日の朝日新聞「私の視点」には。霊長類研究所の松沢所長が「希望を持ちにく い 若手研究者」と題する投稿をされていますが、大変ごもっともな意見だと思いました。 他方、同じ日の社会面には、事業仕分けに対する科学者からの陳情について、「上か ら目線」「社会をしらない科学者」という読者の意見も紹介されていますが、一般の 方には、若手研究者が不安定な身分(高学歴ワーキングプア)であることがなかなか 伝 わっていないようで残念です。 では、お忙しいお仕事の時間を10分だけ割いて、ご意見を副大臣と政務官に送って く ださい。 どうぞよろしくお願いします。 上田恵介(会長) ------------------- (教員用文案) ★ メール宛先:(Web公開用に省略) 平成21年12月 xx日 文部科学副大臣   中川 正春 殿 文部科学大臣政務官 後藤 斎  殿        ○○大学○○研究科・教授        日本○○学会会員(理事など)        ○○ ○○(氏名) 事業仕分け「事業番号3-21競争的資金(若手研究育成)」に関する意見書  ○事業番号3-21競争的資金(若手研究育成)  振興調整費若手研究者養成;科研費若手S,A,B;特別研究員奨励費  決定:「予算要求の縮減」 仕分けメンバーの内訳は、予算計上見送り1名;半減3名;3分の1 縮減3名;その他4名、予算要求通り2名 11月13日に行われた事業仕分けにおいて、標記事項について下された上の決定につい て、評価決定の見直しを強く求めます。 (理由)現在、日本の科学・学術の現場を支えているのは、博士課程大学院生とポス ト ドクターの若手先端研究者たちである。彼らの多くは、同世代の学卒就業者と比較し て、不安定な身分と恵まれない経済状態の中で、世界トップに伍する知的生産活動に 没頭している。彼らの研究基盤となる競争的資金を削減すれば、現在進行中の研究を ストップさせるばかりでなく、これから研究者を目指そうとする次世代の若者の進路 を絶つことにつながる。天然資源を持たない日本がこの先も発展を続けていくために は、高度な知的基盤社会の構築が不可欠な条件であり、それを支える優秀な研究者( 博 士学位取得者)の育成が欠かせない。他のOECD諸国と比しても、若手研究者を養成す る 体制は立ち後れており、予算縮減といった後退は愚行以外のなにものでもない。 ★ メール宛先:(Web公開用に省略) (院生・若手研究者用文案) 平成21年12月 xx日 文部科学副大臣   中川 正春 殿 文部科学大臣政務官 後藤 斎  殿     ○○大学○○研究科・博士課程     日本学術振興会特別研究員(等)     日本○○学会会員     ○○ ○○ 事業仕分け「事業番号3-21競争的資金(若手研究育成)」に関する意見書  ○事業番号3-21競争的資金(若手研究育成)  振興調整費若手研究者養成;科研費若手S,A,B;特別研究員奨励費  決定:「予算要求の縮減」 仕分けメンバーの内訳は、予算計上見送り1名;半減3名;3分の1 縮減3名;その他4名、予算要求通り2名 11月13日に行われた事業仕分けにおいて、標記事項について下された上の決定につい て、評価決定の見直しを強く求めます。 (理由)現在、私たち若手研究者は、同世代の学卒就業者と比較して、不安定な身分 と 恵まれない経済状態の中で、基礎研究に日々没頭しています。ここで私たちの研究と 経済基盤を支える若手研究者育成向けの資金が削減されると、私たちの研究の遂行に 大きな支障が出るだけでなく、研究者を目指す後輩たちの意欲を著しく削ぐことにつ ながります。天然資源を持たない日本がこの先も発展を続けていくためには、高度な 知的基盤社会の構築が不可欠な条件であり、それを支える研究者(博士学位取得者) の 育成が欠かせません。他のOECD諸国と比しても、若手研究者を養成する体制は立ち後 れており、予算縮減といった仕分け結果は是非とも撤回してください。 ---------------------------------- (ジュニア・シニア共用) ★ メール宛先:(Web公開用に省略) 平成21年12月 xx日 文部科学副大臣   中川 正春 殿 文部科学大臣政務官 後藤 斎  殿    ○○大学○○研究科・教授    日本○○学会会員    ○○ ○○    若手の場合(○○大学○○研究科博士課程)   (○○ ○○) 事業仕分け「事業番号3-20競争的資金(先端研究)」に関する意見書  事業番号3-20競争的資金(先端研究) 科学技術振興調整費、科研費(特推、特定領域、新学術、基盤S)、戦略的 創造研究、戦略的イノベーション、先端的低炭素技術開発、戦略的基礎科学  決定:「一元化も含めシンプル化、予算は整理して縮減」 仕分けメンバーの内訳は、予算計上見送り3名;半減1名;3分の1 縮減1名;その他3名、予算要求通り5名 11月13日に行われた事業仕分けにおいて、標記事項について下された上の決定につい て、評価決定の見直しを強く求めます。 (理由)我が国の科学・技術に対する政府支出は、OECD諸国の中で平均以下であり、 科 学・技術立国を目指すという国の施策と見合っていません。この上、事業仕分けの決 定に従って先端研究の資金を縮減するとなると、科学を推進する基盤が大きく崩れま す。仕分けで指摘されたように、様々な競争的資金が乱立し、分かりにくくなってい ることは事実ですし、純粋な基礎研究と「成果を見据えた」応用研究のバランスを是 正していくことも必要です。しかし、科学予算を全体的に縮減すれば、科研費(基 盤A, B, C)といった純粋基礎研究にも影響が及び、資金獲得競争がますます熾烈に な り、研究を続けられない研究者難民が大量に発生しかねません。このようなことから、 仕分け結果の撤回と見直しを強く要望します。 ****** end of Japan Ethological Society MailNews (75) ********** 連絡先メールアドレス等はWeb公開用に省略しています。 お知りになりたい方は京都女子大学中田兼介まで(中田のメールアドレスはトップページにあります)