行動学会 MailNews (3) 15 November 1999  行動学会 MailNews は日本動物行動学会の会員向けに不定期に発行され る e-mail news です。MailNews 3号は直前に迫った大会に関する続報などをお 届けします。 ************************************************************ CONTENTS ・第18回大会続報                 大会事務局 ・第7回国際行動生態学会(ISBE)1998に参加して  小山幸子 ・会員の個人ページへのリンクの募集 ・Web page 更新情報                管理人 ************************************************************  第18回大会は今週末から(19 日-21 日) 、中央大学名古屋キャンパスを 主な会場に開催されます。以下は reminder です。 ☆追加情報: ポスター2 は20日は午後2 時からポスターを貼ることができます ●受付  中京大学センタービル(地下鉄八事駅下車徒歩5分)の2階ヤマテホール(ポスタ ー発表会場)のロビーにて受付を行います。  受付は11月19日(金)は午前11時30分から午後4時まで、20日(土)と21日(日) は午前9時から開始します。当日参加の方は受付で大会参加費(一般5000円、学生 4000円)を納入してください。懇親会の当日申込は一般6000円、学生5000円です。  非会員のかたの学会入会手続きもここでできます。 ●ポスター発表  パネルの大きさは幅90cm、高さ210cmです。  センタービル2階ヤマテホールで前半と後半の2部に分けて行います。  ポスターの前にいる時間帯を各自、会場備え付けの用紙に記入して掲示してくださ い。 ポスター発表1:19日は正午〜4時まで。水族館に行くため、4時にポスター会場を 閉鎖・施錠します。20日は午後1時まで掲示できます。2時までに片付けてください。 ポスター発表2:20日は午後2時からポスターを貼ることができます。発表は午後4 時から8時まで。21日は午後3時まで掲示できます。4時までに片付けて下さい。   ●ラウンドテーブル  20日午後4時〜6時と21日午後3時〜5時にそれぞれ1件、センタービル6階の会 場(0603教室)で開催されます。 ●ビデオ/スライド映像発表  21日午前9時45分〜11時30分にセンタービル6階の会場(0603教室)で行います。  発表者は当日午前9時から9時半の間に会場へビデオテープを持参し、映写テスト をしてください。発表時間は12分、質疑応答は3分です。 ●公開講演会  20日午後1時〜3時にセンタービル6階の会場(0603教室)で開催されます。会員 以外の方も入場無料です。 ●名古屋港水族館見学と懇親会  懇親会費を支払われた方には19日に受付(中京大)で水族館の入館券をお渡ししま す。この入館券をお持ちになれば、何時からでも入館できます(当日のみ有効)。  懇親会は水族館3階レストラン・トータス周辺にて午後6時から開始します。 ●昼食など  19日(金)と20日(土)の昼食までは、センタービル2階などの学内食堂が利用で きます。また、大学周辺や地下鉄八事駅周辺には飲食店が多数あります。  なお、 20日(土)の夕方6時から8時まで、センタービル2階ポスター会場の隣 にあるラウンジでワインなど軽い飲物をサービスする予定です。 ●会期中の大会本部連絡先  大会本部はポスター発表会場の隣におきます。電話は中京大学052-832-2151の内線 3215です。Emailは(Web公開用に省略)あてにお願いします。 大会準備委員:市岡孝朗(名古屋大)・伊藤嘉昭・小川秀司(中京大/大会事務局) ・小田亮(名古屋工業大)・小野知洋(金城学院大)・桑村哲生(中京大/大会委員 長)・杉山幸丸(東海学園女子短大)・平野保男(名古屋港水族館)  プログラムと同様の情報ば学会のページ http://www.i-mde.tmd.ac.jp/Ethol/JESOC_J.html にも掲載されています。 ************************************************************ 第7回国際行動生態学会(ISBE)1998に参加して 小山幸子 東京大学大学院総合文化研究科生命環境系上村研究室  国際行動生態学会の第7回大会は、昨年7月27日から8月1日まで、アメ リカのカリフォルニア州にあるアシロマ会議センターで開催された。演題数で は474、参加者数では600名近かったと聞いている。日本からの参加者数 は少なく、10名ほどだったと思う。主催は、もちろんカリフォルニア大学だ が、スライド係りなどの人たちはアメリカの各地の大学生、大学院生がボラン ティアで参加していたらしい。  アシロマは、カリフォルニアの海岸べりにあり、宿泊施設も備えたすばらし い会議施設だ。カリフォルニアのしかも7月末から8月にかけてといういかに も暑そうなイメージからは到底想像もつかないような涼しい、朝は寒いほどの 気温の場所だった。学会事務局から「寒い」、「霜が降りることもある」とい う事前の連絡を受けていたにもかかわらず、これほどまで涼しいとは予測しな かった、というのが参加者の一様な反応だった。けれども、会議場は敷地全体 が林となっていて、その中に宿泊施設や会議場が点在し、施設内ではシカやア ライグマの親子を見ることができ、施設裏の海辺まで行けば野生のラッコが見 られるというまさにこの世の別天地で、「危険なアメリカ」のイメージばかり が強い私には、イメージを一部修正するには充分なものだった。  今回の学会では、私はポスター発表をおこなった。一昨年にウイーンで行な われた国際行動学会や同年秋にイギリスで行なわれたミニ会議に引き続いての 国際学会参加だったので、顔見知りになっていた方々にも再会し、また新たな 知り合いも多くでき、帰国後に別刷りの束をドサッと送ってくださった方も あった。  国際学会に参加することの面白さは、このような海外の知り合いの方々と再 会することや新しい知り合いを増やすことにひとつはあるが、最大の面白さ は、やはり何と言っても今世界で何が話題となっているかを肌で感じることが できることだろう。たとえば、今回の学会では、Hamilton & Zuk(1982)の仮説 (いわゆるパラサイト説)に関係した研究だけでひとつの発表セッションが設 けられ、アメリカやイギリス、スエーデンやオランダの研究者が次々と研究発 表をおこなった。これはいかにこの仮説に対する関心が高いかを示して興味深 かった。けれども、興味深かったのは、この関連の発表が多かったことだけで はなかった。  パラサイト仮説では、オスの免疫能の高さとテストステロン濃度との間には ネガティブな関係があり、テストステロン濃度が高ければ生殖機能活性が高 く、見かけがりっぱになる一方で免疫能が低下するために寄生虫に寄生されや すくなると考える。しかしながら、今回の学会で次々と発表されたこの仮説検 証のための研究結果は、そのことごとくがこの仮説を否定する結果ばかりなの だった。   ひとつのセッションの中で次々とこのようにひとつの仮説を否定する結果が 発表されると、これは壮観だ。これは何を意味しているのか、思わず心の中で 唸りながら考えてしまう心地だ。仮説検証のための攻略に問題があるのか、仮 説そのものに問題があるのか、何らかの修正がどこかに必要なのだろうと思わ ざるを得ない。国際行動生態学会の前学会長でもあるイギリスのシェフィール ド大学のBirkhead氏もそのような発表をされていた方々の一人だったが、数日 後の朝食時に一緒になったチャンスに「あの仮説はこれからどうなると思う か?」と拙い英語で話しを持ちかけてみた。あまりにこれまでの仮説の立て方 か仮説検証の仕方が単純過ぎたのではないか、とこちらの意見も言ってみた。 さらに多くの要因の介在を仮定し、環境条件の影響等を加味しなければこの仮 説の検証を行なうには無理があるのではないかと言ってみたのだ。嬉しいこと にBirkhead氏もこの意見に賛同し、自分は精子の研究に戻るつもりだと述べ、 朝食を食べながらひとしきりdiscussionを楽しむことができた。  アメリカでの行動生態学会は、私にとっては、多くの収穫を得ることがで き、アメリカのイメージを好転させることもでき、食べ過ぎてアメリカ太りし たという悔いだけは残したものの、また自分で満足の行く発表ができるような 研究をしなければ、と研究意欲を新たにさせるのには充分な思い出となった、 と思う。将来、日本で開催されることがあるとしたら、是非このような思い出 が多くの参加者に残るような大会になって欲しいと期待している。 (この原稿はニューズレター34に掲載予定でしたが、事務局の手違いで掲載できま せんでしたので、ここに掲載し、また、ニューズレター35にも掲載いたします。) ************************************************************ 会員の個人ページへのリンクの募集 管理人 大塚公雄  会員の皆様に中にはホームページをお持ちの方も多いと思います。  そこで、学会の web page に会員のホームページへのリンク集を作るこ とを検討中です。つきましては、このリンク集での掲載を希望される方を 募集します。希望者の氏名、氏名の英語表記、ホームページの URL をお 知らせください。行動学会会員のページであれば、商業目的のものを除い て、どなたでもご応募いただけます。ただし、 URL の変更等があった際 に確実かつ迅速にご連絡いただける方に限ります。 ************************************************************ Web page 更新情報   MailNews/Web page 管理人 大塚公雄(東京医科歯科大学) ・大会案内を上記の内容に更新しました。(- 10 November) ・XXVI IEC (Bangalore, INDIA)のスケジュール一部掲載  8 月に行われた XXVI IEC は、無事終了しました。トラブルで詳細なプ ログラムは一部のみしか届きませんでしたが、現在も見ることができます。 ****** end of Japan Ethological Society MailNews (3) ****** 連絡先メールアドレス等はWeb公開用に省略しています。 お知りになりたい方は京都女子大学中田兼介まで(中田のメールアドレスはトップページにあります)