行動学会 MailNews (243) December 4 2017 行動学会 MailNews は日本動物行動学会の会員向けに不定期に発行されるメール マガジンです。 ******************************************************************           CONTENTS * 第36回 日本動物行動学会 総会報告 * Journal of Ethology Editor\\\'s choice とEditor\\\'s choice award ****************************************************************** * 第36回 日本動物行動学会 総会報告 第36回 日本動物行動学会 総会報告 於 東京大学駒場キャンパスEast K011室 2017年9月1日 15:35-16:25 会長挨拶(中嶋会長) 合同大会実行委員(行動学会代表)挨拶(岡ノ谷委員) 議長:岡ノ谷実行委員 報告事項 1.日本動物行動学会賞・日高賞選考員会報告(中嶋会長) 行動学会賞の区分(1)「動物の行動に関する新たな現象の発見」に7名,区分 (2)「動物の行動に関する新たな理論の構築あるいは既存の理論の発展」に1名, 区分(3)「動物の行動を研究する新たな方法の開発あるいは既存の方法の改 良」に1名の応募があった。慎重な選考の結果、区分(1)は佐藤成祥氏,区分 (2)は山口幸氏を受賞候補者とした。両名の受賞は運営委員会メール会議で承 認された。日高賞は応募がなかった。 2.編集事務報告(中田編集委員長) 編集長が本年度より交代(安井さん→中田さん)。 Journal of Ethologyの副編集長を新たに2名選出(古賀庸憲氏、Zenobia Lewis 氏)。 投稿論文数は少なめ 日本人著者の占める割合は以前の状態に戻る インパクトファクターは4年ぶりの1越え(1.06) エディターズチョイス及びアワードの選考は秋に実施(表彰は2年分を来年度の 大会で) 科研費出版助成を本年度再申請予定 3.運営委員会報告(坂井事務局長) 1)IEC参加報告 2017年ポルトガルで開催された国際動物行動学会議IECにおいて、その運営会議 であるICEに中嶋会長が出席。2019年がシカゴ開催で決定し、その次の2021年の 開催地がドイツで交渉中。 2)学会連合について 自然史学会連合は啓発活動に力を入れている。ただし、行動学の関連学会とのつ ながりやコミュニケーションの促進や情報交換などの面の魅力が乏しく、行動学 会として直接的な利益(学会の抱える諸問題の解決につながる協力ネットワー ク)が見えないものであった。そこで学会連合への加入見直しを検討し、1)自 然史学会連合を本年度で退会することとした。また、新たな加入候補の1つであ る生物科学学会連合については、今後情報を集めて来年度以降に態度を決定する こととした。 質問)自然史学会連合からの退会後、行動学会はどのようにアウトリーチ活動を 進めるのか?(石田会員) 回答)講演会などは行動学会独自でも会員個人でも多数実施している。マスコミ からの要請も事務局に多数寄せられている状況。行動学会が関心をもって学会連 合に求めていることはそういうことではなく、ポスドク問題など行動学会の運営 に直接的に関わる情報共有。この視点に基づいた議論の結果、自然史学会連合か らの退会という結論に至った(中嶋会長) 3)科研費国際出版助成の再申請について 研究成果公開促進費(区分 国際情報発信強化を予定)への再申請を承認した。 4)学会賞改善案の進行状況について 現時点までの学会賞再検討WGでの議論経過が報告された。 「選考委員会委員が応募者の業績の共著者になっている場合に、その年度の選考 委員会から外れる」とする方針案が承認された。また、学会賞細則にこの内容を 加えることが承認された。 5)動物行動学事典の進行状況について 出版を進めることが昨年度の運営委員会で承認されていたが、出版準備が進んで いない。 あらためて出版を進めることが了承された。 若手を中心に執筆陣を検討する。 6)大会運営の指針の策定について  通常の行動学会の大会運営を引き受けてもらいやすく、スムーズに運営準備が 進められるよう、大会運営の指針を制定することが原案に基づき了承された。運 営のポイントを網羅するよう執行部で改訂を進めることが了承された。 7)法人化について  委員間での情報交換を行った。関連学会の情報収集を進めながら慎重に今後も 検討を継続させる。 4.運営委員会の参加者に関する内規(坂井事務局長)  運営委員以外の運営委員会への参加者について定義する内規を制定したい旨が 説明された。具体的には、編集委員長のオブザーバー参加。また、運営委員会で の執行部の役割分担(議長は会長、書記は事務局長)も定義される。原案が承認 された。 5.次期大会について(中嶋会長、森 哲 京都大会実行委員長)  第37回大会は京都大学で秋に開催予定  3日間の予定  映像発表に加えて口頭発表に近いセッションを設ける可能性  本年度の秋にアナウンスがある予定 6.その他 自然史学会連合からの退会についての質疑応答があった(上述)。 審議事項 7.2016年度会計決算案(坂井事務局長) 8.会計監査報告(都丸監査委員) 2016年度の決算案および会計監査報告が行われ,決算案が承認された。 9.2018年度会計予算案 (坂井事務局長、工藤副会長補足説明)  2018年度からの科研費出版助成金が得られなかったものと仮定して、編集委員 会で決定された2018年度出版方針(オープンアクセスを3本に減じる)に基づい て予算案が作成されていることが説明された。  また、運営委員会において自然史学会連合年会費の支出予算を削除すること、 事務局アルバイト費の予算を12万円に修正することの2点が了承されており、こ れらの修正を加えた予算案が説明された。  審議の結果、2018年度の予算案が承認された。 質問)編集費は決算ではほとんど使用されていないが、予算で編集費を30万円計 上する理由・使徒は(古賀会員)。 回答)編集費は現在科研費の助成を受けているため使用する必要がないが、編集 委員会の裁量で使える予算を確保しておく必要があるため計上している(坂井事 務局長)。 (文責 坂井) ****************************************************************** * Journal of Ethology Editor\\\'s choice とEditor\\\'s choice award Journal of Ethology 編集委員会は第35巻掲載論文のなかから Editor\\\'s Choice 2017 を 6論文選び、その第一席を Editor\\\'s Choice Award 2017(第4回Journal of Etholgy論文賞)として以下のように決定しました。表彰は第37回京都大会で 行います。これらはすべて行動学会の費用でオープンアクセス化されています。 Editor\\\'s Choice Award 2017(第4回Journal of Etholgy論文賞) Male mate choice in a sexually cannibalistic species: male escapes from hungry females in the praying mantid Tenodera angustipennis. By Mika Kadoi, Kotaro Morimoto, Yasuoki Takami (Vol. 35, Issue 2, pp 177-185) https://link.springer.com/article/10.1007/s10164-017-0506-z1 Editor\\\'s Choice 2017 Unique arm-flapping behavior of the pharaoh cuttlefish, Sepia pharaonis: putative mimicry of a hermit crab. By Kohei Okamoto, Haruhiko Yasumuro Akira Mori, Yuzuru Ikeda (Vol. 35, Issue 3, pp 307-311) https://link.springer.com/article/10.1007/s10164-017-0519-7 Agonistic display or courtship behavior? A review of contests over mating opportunity in butterflies. By Tsuyoshi Takeuchi (Vol. 35, Issue 1, pp 3-12) https://link.springer.com/article/10.1007/s10164-016-0487-3 Behavioral assay and chemical characters of female sex pheromones in the hermit crab Pagurus filholi. By Saori Okamura, Takuma Kawaminami, Hiroshi Matsuura, Nobuhiro Fusetani, Seiji Goshima (Vol. 35, Issue 2, pp 169-176) https://link.springer.com/article/10.1007/s10164-017-0507-y Setting an evolutionary trap: could the hider strategy be maladaptive for white-tailed deer?. By M. Colter Chitwood, Marcus A. Lashley, Christopher E. Moorman, Christopher S. DePerno (Vol. 35, Issue 3, pp 251 -257) https://link.springer.com/article/10.1007/s10164-017-0514-z Sometimes noise is beneficial: stream noise informs vocal communication in the little torrent frog Amolops torrentis. By Longhui Zhao, Bicheng Zhu, Jichao Wang, Steven E. Brauth, Yezhong Tang, Jianguo Cui (Vol. 35, Issue 3, pp 259-267) https://link.springer.com/article/10.1007/s10164-017-0515-y Journal of Ethology編集長  中田兼介(京都女子大学) ****** end of Japan Ethological Society MailNews (243) ********** 連絡先メールアドレス等はWeb公開用に省略しています。 お知りになりたい方は京都女子大学中田兼介まで(中田のメールアドレスはトップページにあります)