行動学会 MailNews (17) 21 October 2002  行動学会 MailNews は日本動物行動学会の会員向けに不定期に発行される メールマガジンです。  16号では、ラウンドテーブル2 の記事が不完全で、小山様並び読者の皆様にご 迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。訂正版を掲載します。アンケート の期限を今月末としていただきました。  今号は懇親会の時刻変更、公開シンポジウム、ラウンドテーブルについて企画 者から紹介していただきます。  公開シンポジウムは、参加申し込みをされていない方も来聴できますのでお知 り合いの方もお誘い下さい。  さらに、ポスター賞について大会事務局からお知らせします。  学会事務局に登録してあるメールアドレスに加え、第21回大会に登録された 方のアドレスにも発送しています。 *****************************************************************           CONTENTS ・懇親会の時刻変更 ・公開シンポジウム 『動物行動学と理科教育:行動を教科書から消すな!』 ・ラウンドテーブル1『行動と遺伝』 ・ラウンドテーブル2『応用動物行動学への招待』関連アンケート ・ポスター賞について ・託児所について ***************************************************************** ○懇親会の時刻変更 (18:00開始)  はじめにお知らせしたプログラムでは、懇親会(11月3日)を17:00からとしてい ましたが、都合により 18:00〜20:00 となりました。 ***************************************************************** ○公開シンポジウム 「動物行動学と理科教育:行動を教科書から消すな!」 11 月 3 日(日)13:00 - 15:30,於 A 会場 趣旨:  動物行動学は、生物学の中でも、おうおうにして研究者個々人の趣味性の高い 研究分野だと見なされがちである(もちろん、本学会員は虫好き、魚好き、鳥好 きetc.の集まりだ)。しかし、行動学はたんなる個別的なテーマの寄せ集めでは 決してない。生物個体は、行動を通じて、環境世界に適応し、いのちを次世代へ と伝えていく。行動に焦点をあてることによって、そのメカニズム(分子機構、 神経系、運動系)、発達(遺伝と環境の相互作用)、機能(生存価)、進化(歴 史的由来)の諸相がはっきりと連関して見えてくる。行動学はいわば、生物学の 十字路であり入り口なのだ。この意味で、生物教育の中で行動に目を向けること の重要性は限りなく大きい。生きた個体の姿から、若い人たちは、ミクロの世界、 マクロの世界、生物時間の驚異と不思議を実感していくことができ、暗記科目と しての生物学ではなく、生物界の仕組みを統一的に説明する生物学を学ぶことが できるはずだ。  ところが、今、新学習指導要領に基づく検定によって、報道されている「進化」 だけでなく、行動もが生物教科書からほとんど一掃されようとしている! <8 の字ダンスやパブロフはもとより、霊長類研究所の「アイ」までも、引きずり下 ろされてしまった。>なぜこのようなことが起こっているのか。学校教育で行動 学をどのように教えたらいいのか。行動学の大切さをどのように社会に伝えて行 くべきか。  本シンポジウムでは、この重大な危機に直面して、動物行動学と理科教育の関 係について問い直し、一般参加者も交えて、本学会が今後取るべき道について考 えて行きたい。 話題提供: 嶋田正和(東京大学) 「中学・高校での行動・生態・進化の教え方:学習指導要領をもとに」 長谷川眞理子(早稲田大学)・長谷川寿一(東京大学) 「生物教科書検定の仕組みと実態」 池田博明(神奈川県立足柄高等学校) 「行動と進化を「生物I」で教える」 濱尾章二(国立科学博物館附属自然教育園) 「動物行動と社会教育」 桑村哲生(中京大学) 「教養としての動物行動学」 企画・進行: 狩野賢司/濱尾章二/長谷川寿一 ***************************************************************** ○ラウンドテーブル 1 『行動と遺伝』 11 月 2 日(土)16:00 - 18:00,於 A 会場 主催者:高橋亮(理化学研究所ゲノム科学総合研究センター)・立田晴紀(遺伝 学研究所集団遺伝研究部門)・柴尾晴信(産業技術総合研究所生物遺伝子資源研 究部門) 遺伝子解析技術の発展に伴い,動物行動をはじめとする複雑な表現型の多様性を 塩基配列の違いに即して理解することも不可能ではなくなりつつある.本集会で は,学会外からの若手研究者による研究紹介を基に,行動形質の遺伝基盤を探究 することの意義を考えたい.講演は,QTL 解析理論,植物発生研究を含む以下の 4 題を予定している. 中道礼一郎(東京大学農学生命科学研究科) 『量的形質の分子遺伝解析の理論と実践』 高橋文(遺伝学研究所集団遺伝研究部門) 『交尾前隔離行動の遺伝学』 沓掛磨也子(産業技術総合研究所生物遺伝子資源研究部門) 『真社会性アブラムシにおいて兵隊特異的に発現するカテプシンB様プロテアーゼ』 青木誠志郎(東京大学総合文化研究科) 『適応進化の分子的検証:花形態形成遺伝子の分子進化』 ***************************************************************** ○ラウンドテーブル2         『応用動物行動学への招待』  11 月 4 日(振り替え休日)13:30 - 15:30,於 A 会場 終了後にミニ懇親会があります ご意見をお聞かせください!! 行動学会会員の皆様にお願いがあります。 動物行動学の研究には多くの「応用」可能性があると思います。すでに会員の皆 様の中には実際に研究の成果が研究対象動物と人間との関わりのあり方改善に 「応用」できることを体験していらっしゃるかたもいらっしゃるかもしれません。 「応用」には、たとえば、動物の飼育管理方法や、野生状態の中での周辺環境の 保護のあり方、あるいは害虫、害鳥、害獣対策などさまざまな側面があると思い ます。そのような行動学研究の「応用」可能性に関する意見、あるいは体験など 皆様の声をぜひお聞かせください。 本年度の動物行動学大会では、11月4日(月曜日、振り替え休日)午後にラウ ンドテーブル企画として「応用動物行動学への招待」を開催します(大会ホーム ページをご覧ください)。このラウンドテーブルでは、第1部として3名の方から の実際の行動学研究応用例を紹介していただき、第2部ではパネルディスカッショ ンの時間を設けて多くの方の意見交換の場にしたいと考えています。その際に、 第2部ではご意見をお寄せくださった方の資料を配布し、また直接ご意見を言っ ていただく時間を設けたいと考えています。ぜひ多くの方の意見を交換し、多く の方々と一緒に行動学の「応用」可能性について考える機会にしたいと思ってお ります。下記の項目に記入し、ぜひ10月末日までに私の方までメールでお送り ください(小山幸子(Web公開用に省略))。たくさんんの方のご意見 をお待ちしております。ヨロシクお願い申し上げます。 1.名前(匿名希望の方は無記名で結構です): 2.所属(匿名希望の方は無記名で結構です): 3.研究対象動物: 4.コメンテーターとしてお願いできるかどうか:Yes, No (なお、人数調整の関係でコメンテーターとしてお願いできない場合もあります。ご了 承ください) 5.4でYesの方はメールアドレスをご記入ください: 6.行動学の応用可能性についてのご意見あるいは実例: 文責:小山幸子(東京大学大学院総合文化研究科) ***************************************************************** ○ポスター賞について  本大会では大会の活性化を図ることを目的として、優れたポスター発表を選ぶ コンテストを開催します。皆さん、奮ってご参加下さい。 審査方法:  参加者全員による投票結果(記名投票、共同研究者の多い発表が有利になるこ とが予想されるので自分の発表を記入しない)に基づき、実行委員会が上位(予 め数を決めず、投票結果の分布によって5から10の範囲内で決定する)のポス ター発表を決定する。 審査基準: (a)研究の独創性とインパクト (b)研究内容をわかりやすく示したポスター、説明であるか? (c)魅力的なポスター、説明であるか? 審査の流れ: (1)受付で大会参加者に投票用紙1枚と資料「ポスター賞について」を配布す    る。投票用紙には、審査基準(a)、(b)、(c)のそれぞれにつき1    つずつ、計3つの発表を記入する(同一の発表に重複して投票して良い)。    資料ではポスター賞の趣旨、審査の基準、投票方法を説明する。 (2)会場内に投票箱を設置し、11月4日12時を投票の締め切りにする。 (3)懇親会で「投票の途中経過報告」を行う。 (4)投票結果の公表は行動学会ホームページと行動学会Newsletter 、MailNews    において行う(本来、11月3日の懇親会で発表するのが望ましいが、    4日の午前中にもポスターセッションがあることより、結果の公表を後日    行うことにした)。 ***************************************************************** ○大会で託児所を利用なさりたい方で、まだ申し込まれていない方は、至急  大会事務局までお知らせ下さい。  Tel. & Fax. : 03-3985-2596  E-mail: (Web公開用に省略)  ****** end of Japan Ethological Society MailNews (17) ********** 連絡先メールアドレス等はWeb公開用に省略しています。 お知りになりたい方は京都女子大学中田兼介まで(中田のメールアドレスはトップページにあります)