行動学会 MailNews (119) September 18 2012 行動学会 MailNews は日本動物行動学会の会員向けに不定期に発行されるメール マガジンです。 *************************************************************           CONTENTS ・日本動物行動学会第31回大会の各種申し込み期限は今週末 ・ラウンドテーブルの案内 ************************************************************* 日本動物行動学会第31回大会の参加申し込み期限は今週末(9月22日)です。 ・会期 2012年11月23日(金・祝日)〜25日(日) ・会場 奈良女子大学 (奈良女子大学理学部・奈良女子大学共生科学研究センター共催) 大会ウェブサイト: http://gi.ics.nara-wu.ac.jp/JES2012/ 申込サイトは http://gi.ics.nara-wu.ac.jp/JES2012/registration.html ************************************************************* 大会では、以下の2つのラウンドテーブルが予定されています。 ラウンドテーブル1 日時:11月25日 9:00−11:00 会場:G101 タイトル:繁殖の偏りを変動させるもの〜配偶者選択の可塑性と形質進化への影 響 主催者:松本 有記雄(長崎大学大学院)・狩野賢司(東京学芸大学) 企画趣旨:動物は繁殖の際に、配偶相手の形態や行動の特徴を指標として、より 適応度が高くなる相手と配偶しようとする。そして、この選り好みの結果、異性 から好まれる形質を持つ個体の繁殖成功が高くなり、その形質が個体群中に広が ると考えられている。しかし、実際に野外調査を行っていると性的形質の質から は予想できないような個体の繁殖成功が高くなったり、個体間の繁殖成功に大き な差が見られなかったりすることがある。それではこれらの現象は、理論的に説 明できないイレギュラーな結果として理解してしまっていいのだろうか?本ラウ ンドテーブルでは、配偶者選択における好みの変化や好みの対象となる形質の質 の変化に着目して、高い繁殖成功をおさめる個体が短期間で入れ替わる、すなわ ち繁殖の偏りの変動が起こるメカニズムやその適応的意義を紹介する。そして、 この偏りの変動が、性的形質の進化に与える影響を「形質の多型の維持」や「形 質の発達度合い」などに着目して議論したい。 講演予定者: 松本 有記雄(長崎大学大学院)「ロウソクギンポ雄の求愛活性の変化と雌の非 独立型配偶者選択がもたらす繁殖の偏りの変動」 高橋佑磨(東北大学大学院)「好みの可塑性が生みだす形質の時空間動態」 古賀庸憲(和歌山大学)「捕食リスクの変化が代替交尾行動への好みや配偶者選 択に影響するか?シオマネキの一種、Uca beebeiにおける幾つかの研究より」 工藤宏美・狩野賢司(東京学芸大学)「グッピー雌の選り好みの短期的変動」 ラウンドテーブル2 日時:11月25日 11:15−13:15 会場:G101 タイトル:行動生態学はオワコンか? -明日の行動学へ向けて- 主催者:長谷川 英祐(北海道大学大学院・農・生物生態体系) 企画趣旨:現在、日本動物行動学会大会における講演のほとんどが行動生態学の 研究である。行動生態学はその勃興以来、多くの注目を集め隆盛を極めたといっ てよいだろう。しかし、最近主催者の周辺では「行動生態学はもうオワコン」と いう声が聞かれ、生物学を目指す新しい人からも魅力ある分野としてとらえられ ているかどうかは疑問の余地がある。主催者自身はこの数年間の大会に参加して、 いい知れぬ「退屈感」を感じている。果たして、行動生態学は停滞しているの か?未来はあるのか?このラウンドテーブルでは、辻和希、工藤慎一、長谷川英 祐という行動学に一家言もつ3人の演者を招き、現在の行動生態学、ひいては未 来の行動学について考えを聞き、コメンテーター、会場を含めて議論したい。は たして、行動学の行く末は光の道か、はたまた第6の絶滅なのか?必見!三大怪 獣地球最大の決戦。 ****** end of Japan Ethological Society MailNews (119) **********